International Baccalaureateに関して
学林舎では、文部科学省が推進する国際バカロレア資格( International Baccalaureate)を習得するための学校用テキストの取り扱いを開始(2013年)して、7年目を過ぎようとしています。国際バカロレア資格、通称IBは、インターナショナルスクールの卒業生に、国際的に認められる大学入学資格を与え、大学進学へのルートを確保するとともに、学生の柔軟な知性の
育成と,国際理解教育の促進に資することを目的として1968年に国際バカロレア機構が発足しました。
IBには、3歳~19歳の子どもの年齢に応じて3つのプログラムがあります。
(1) PYP (Primary Years Programme:初等教育プログラム)3歳~12歳
(2) MYP (Middle Years Programme:中等教育プログラム) 11歳~16歳
(3) DP (Diploma Programme:ディプロマ資格プログラム) 16歳~19歳
DPの課程を修了し、DP資格取得のための統一試験に合格することで、IBを取得することができます。IBは、国際的に認められている大学入学資格の1つ(SAT・ACTなど)です。日本では、帰国子女を対象にIB取得を推進しています。
IBに関しては、この7年間で様々な情報を日本語でも受け取ることができる状況になりました。実際にIBを習得した生徒の体験談からメリット、デメリットと幅広い情報があふれています。IBに関して、多くの日本の中高生がデメリットと感じているのは1.英語力の不安 2.大学(国内)への進学です。英語力がないと授業についていけないという不安については、グローバルな社会状況において、職種の幅の拡大や専門職を目指すのであれば、遅かれ早かれ英語に対する課題はでてきます。プラス思考で考えれば、IBというのは、そういった生徒たちにとってチャレンジだと思います。そのチャレンジのチャンスがあるのであれば、チャレンジするのも選択肢のひとつです。
デメリットは、IBコースの授業で手いっぱいのため、大学入試対策ができないという声を聞きます。アメリカの学校、インターナショナルスクールレベルにおいては、20数年以上前からIBとSATの両立は、少なからずおこなわれてきました。そのため、IBのメリット、デメリットを生徒に十分説明したうえで、コースのひとつとして選択させるケースが多いようです。高校2年生あたりでIB選択をするかしないかをするケースが多いと聞きます。
日本のIB認定校に関しては、日本語と英語両方で指導している学校も多いと聞きます。当然、現在の日本人の英語力を考えると適切な判断だと考えられます。しかし、問題なのはIBのカリキュラムは、従来の日本式の学習とは違い、表現力育成を重視した論文作成、発表が中心のカリキュラムです。そのため、知識習得型を主においた入学試験を中心としている日本の大学においては、限られた大学への進学になります。IBの学習カリキュラムは、グローバル社会において必要なことを身につけるためには有効なカリキュラムのひとつです。しかし、国内への大学を進学するのであれば、早い段階から準備(中学3年生、高校1年生の段階で進学を希望している大学のIBに対する対応)をする必要があります。(文/学林舎 北岡)
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